Kotlin Multiplatform vs React Native 比較

ビジネスロジックだけを共有し、UIはネイティブのまま

VS
React Native

単一のコードベースからUIとビジネスロジックを共に生成

10 分で読了Cross-Platform

クイック結論

明確な勝者はなく、シナリオによって決まる。UIをネイティブのまま残し、ネットワーク/データ/ビジネスロジックのみを共有したい場合で、チームがKotlin/Androidに近いならKMPを選ぶとよい。shared moduleをAndroidに追加し、iOSにXcodeフレームワークとして接続する手順は公式チュートリアルで明確に定義されている。単一のコードベースから画面を生成し、Webチームをモバイルに参加させたい場合はReact Nativeが有力だ。126,703スターのエコシステムと公式の「Integration with Existing Apps」ガイドがそれを裏付けている。

Kotlin MultiplatformReact Native
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スコア比較

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詳細スコア

詳細スコア: Kotlin Multiplatform React Native — カテゴリー別10点満点のスコア
カテゴリーKotlin MultiplatformReact Native
パフォーマンス
8/10
7/10
学習のしやすさ
6/10
7/10
エコシステム
6/10
9/10
コミュニティ
6/10
9/10
求人市場
6/10
7/10
将来性
8/10
8/10

長所と短所

Kotlin Multiplatform

長所

  • Kotlin/Androidチームにとって新しい言語を学ぶコストがゼロ
  • UIはネイティブのまま — プラットフォームの操作感とアクセシビリティを自動的に維持する
  • shared moduleは既存のGradleプロジェクトに最小限の変更で追加できる
  • JetBrainsによる公式かつ長期的なサポート(Kotlin 2.4.20、サポートは2027年まで)
  • expect/actualによってプラットフォーム固有のコードを一箇所から管理できる
  • 必要であればCompose Multiplatformを使ってオプションの完全なUI共有に拡張できる
  • Apache 2.0ライセンス、完全にオープンソースかつ無料

短所

  • マルチプラットフォームネイティブのライブラリエコシステムはRNと比べて小規模で若い
  • iOS側ではSwift/Xcodeの知識が必要(チームが完全にAndroid中心の場合は学習コストがある)
  • プラットフォーム固有のSDKにアクセスするには、しばしば自分でブリッジを書く必要がある
  • GitHubスター数(53,451)はRNの約42%、つまり約2.4分の1(Kotlin言語のリポジトリであり、KMP独自のスター数は存在しない) — コミュニティリソースはより限定的
  • Gradleのマルチプラットフォーム設定は初期セットアップ時に複雑に感じられることがある

最適な用途

Kotlin/Androidチームがあり、iOSにもネットワーク/データ層を共有したいチームUIがネイティブのままであることが重要な、プラットフォーム固有の複雑な画面既存のGradle/Xcodeパイプラインに最小限の変更でレイヤーを追加するシナリオ長期的でJetBrainsがサポートするソリューションを求める企業チーム

React Native

長所

  • Web/Reactの知識がそのまま活かせ、チームはすぐに生産的になる
  • 巨大なnpmエコシステム — ほとんどのネイティブモジュールブリッジは既に用意されている
  • 126,703 GitHubスターを持つ大規模で活発なコミュニティ(JetBrains/kotlinの約2.4倍)
  • 公式の「Integration with Existing Apps」ガイドにより、既存プロジェクトへ明確な手順で追加できる
  • 新アーキテクチャ(Fabric/TurboModules)は2024年以降、Meta自身の本番アプリケーションで実証済み
  • RN 0.87でStrict TypeScript APIがデフォルトに — より安全で型チェックされたコード
  • MITライセンス、完全にオープンソースかつ無料

短所

  • ネイティブコンポーネントは依然としてJSランタイム(JSI経由)によって駆動されている — ブリッジは0.76以降廃止されたものの、追加のランタイム/JSスレッドのコストが存在する。KMPではUIは最初からプラットフォーム自体のフレームワークで描画される
  • RN 0.87の最低限のツールチェーン(Node.js 22、AGP 9、Kotlin 2.0+)は、古いプロジェクトでは先にアップグレードが必要
  • Strict TS APIへの移行は、古いinternal-pathのdeep-importを壊す可能性がある(破壊的変更)
  • 既存アプリへの統合ステップはKMPより多い(プロジェクトのディレクトリ構造の再編成が必要)
  • プラットフォーム固有で深いシステム統合が必要な画面には、ネイティブモジュールブリッジを書く必要がある

最適な用途

Web/JSチームがモバイルへ拡大し、プロダクト画面を素早く作りたいチーム頻繁なA/BテストとUIイテレーションが必要で、両プラットフォームに同時に画面更新を反映したいプロダクト巨大なnpmエコシステムから既製のコンポーネント/ライブラリを使いたいプロジェクトMetaの規模で実証済みの新アーキテクチャ(Fabric/TurboModules)を安心して採用するチーム

コード比較

Kotlin Multiplatform
// KMP shared module — 既存のAndroid/iOSアプリへの追加
// shared/src/commonMain/kotlin/data/UserRepository.kt

package com.app.shared.data

import kotlinx.coroutines.flow.Flow
import kotlinx.serialization.Serializable

@Serializable
data class User(val id: String, val name: String, val avatarUrl: String)

// 注: kotlin.Resultはvalue classであり、Objective-Cのexportには公開されない。
// 戻り値の型は直接User、エラーはthrows/completion errorとして伝播する。
class UserRepository(private val api: UserApi) {
    suspend fun fetchUser(id: String): User = api.getUser(id)
}

// expect/actual: プラットフォーム固有の部分(iOS Keychain / Android EncryptedSharedPreferences)
expect class SecureStorage {
    fun save(key: String, value: String)
    fun read(key: String): String?
}

// shared/build.gradle.kts(抜粋)
kotlin {
    androidTarget()
    listOf(iosX64(), iosArm64(), iosSimulatorArm64()).forEach {
        it.binaries.framework { baseName = "Shared" }
    }
    sourceSets {
        commonMain.dependencies {
            implementation("io.ktor:ktor-client-core:3.6.0")
            implementation("org.jetbrains.kotlinx:kotlinx-coroutines-core:1.11.0")
        }
    }
}

// iOS側でXcodeフレームワークとして接続する(Swift)
import Shared

let repo = UserRepository(api: UserApiImpl())
repo.fetchUser(id: "42") { user, error in
    if let user = user { print(user.name) }
}
React Native
// React Native — 既存アプリへの統合; index.js: 画面を登録

import { AppRegistry } from 'react-native';
import ProfileScreen from './src/ProfileScreen';

AppRegistry.registerComponent('ProfileScreen', () => ProfileScreen);

// src/ProfileScreen.tsx — Strict TypeScript API(RN 0.87デフォルト)
import { View, Text } from 'react-native';

export default function ProfileScreen({ userId }: { userId: string }) {
  return (
    <View style={{ padding: 16 }}>
      <Text style={{ fontSize: 17 }}>ユーザー {userId}</Text>
    </View>
  );
}

// android/app/build.gradle — RN Gradle Plugin(抜粋)
apply plugin: "com.facebook.react"

react { autolinkLibrariesWithApp() }

// MyReactActivity.kt — 公式ガイドのパターン
import com.facebook.react.ReactActivity
import com.facebook.react.ReactActivityDelegate
import com.facebook.react.defaults.DefaultNewArchitectureEntryPoint.fabricEnabled
import com.facebook.react.defaults.DefaultReactActivityDelegate

class MyReactActivity : ReactActivity() {
  override fun getMainComponentName(): String = "ProfileScreen"
  override fun createReactActivityDelegate(): ReactActivityDelegate =
    DefaultReactActivityDelegate(this, mainComponentName, fabricEnabled)
}

// AndroidManifest.xml: <activity android:name=".MyReactActivity"
//   android:theme="@style/Theme.AppCompat.Light.NoActionBar" />
// 既存の Activity から: startActivity(Intent(this, MyReactActivity::class.java))

結論

明確な勝者はなく、シナリオによって決まる。UIをネイティブのまま残し、ネットワーク/データ/ビジネスロジックのみを共有したい場合で、チームがKotlin/Androidに近いならKMPを選ぶとよい。shared moduleをAndroidに追加し、iOSにXcodeフレームワークとして接続する手順は公式チュートリアルで明確に定義されている。単一のコードベースから画面を生成し、Webチームをモバイルに参加させたい場合はReact Nativeが有力だ。126,703スターのエコシステムと公式の「Integration with Existing Apps」ガイドがそれを裏付けている。

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FAQ

よくある質問

明確な正解はなく、チームのスキルに依存します。Kotlin/AndroidチームでUIをネイティブのまま残したいならKMP、Web/Reactチームで単一のコードベースから画面を生成したいならReact Nativeです。どちらも既存アプリへの段階的な追加を公式にサポートしています。

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