LangGraph vs CrewAI 比較

低レベルでグラフベースのエージェントオーケストレーション・ランタイム

VS
CrewAI

ロールベースのエージェントチーム + イベント駆動Flowによる本番オーケストレーション

13 分で読了AI

クイック結論

明確な勝者はなく、あなたのワークフローの形が勝敗を決める:ループや条件分岐を含むアーキテクチャならLangGraphが優位、特に規制対象のワークフローでは顕著だ。少ないコードで『ロールチーム』を組みたいならCrewAIの方が近道になる。MCPに頻繁に接続するならCrewAIの専用DSLが有利だ。そして2026年には第三の選択肢もある:シンプルな自動化にはフレームワーク自体が不要かもしれない。

LangGraphCrewAI
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詳細スコア

詳細スコア: LangGraph と CrewAI — カテゴリー別10点満点のスコア
カテゴリーLangGraphCrewAI
パフォーマンス
8/10
8/10
学習のしやすさ
5/10
8/10
エコシステム
8/10
7/10
コミュニティ
8/10
8/10
求人市場
7/10
6/10
将来性
9/10
8/10

長所と短所

LangGraph

長所

  • きめ細かな制御:決定論的なステップとLLM主導のステップを同じグラフ内で組み合わせられる
  • Checkpointerによるスレッド単位の状態永続化 + Storeによるスレッド間の長期記憶
  • interrupt()による組み込みのヒューマン・イン・ザ・ループ中断、thread_idで中断地点から再開
  • LangSmithによるエンドツーエンドのトレーシングと本番規模のパフォーマンス可視化
  • Klarna、Cisco、ToyotaなどのLangChain顧客事例で記録された本番利用
  • LangChainの広範な統合エコシステムとのネイティブな親和性(GitHubスター42K以上)
  • ライブラリは完全にMITライセンスで無料。マネージドのLangSmithは別途、オプションのレイヤー

短所

  • 公式ドキュメント自身の表現で『very low-level』— シンプルなプロジェクトには過剰なコード量
  • グラフ/ノード/エッジのメンタルモデルは、CrewAIのロールベースモデルに比べて抽象的で学習曲線が急
  • 専用のMCP統合ページは用意されていない。アダプターはLangChainのagentsレイヤーにとどまる
  • シンプルなシナリオでは、ドキュメント自体がLangChainのプリビルドagentアーキテクチャの利用を勧めてくる
  • LangSmithの使用量ベースのLCU/LSU課金は、大規模になるとコスト予測を難しくする可能性がある

最適な用途

分岐・条件分岐・循環(cyclic)を伴う複雑なエージェントシステムを必要とするワークフロー長時間稼働し、中断に強く、チェックポイントから再開できる本番エージェントきめ細かな人間承認ステップが必要な規制対象のワークフロー(金融、医療)すでにLangChainエコシステムを使用しており、最大限の制御を求める経験豊富なチーム

CrewAI

長所

  • Crewsによって少ないコードでロールベースのエージェント連携を構築できる — 高速プロトタイピングに最適
  • Flowsはイベント駆動・状態管理型で、条件分岐/ループを伴うワークフロー向けの独立した強力なレイヤー
  • @human_feedbackデコレータ(v1.8+)によるネイティブな同期式ヒューマン・イン・ザ・ループ承認
  • 専用のMCP DSL(`mcps`フィールド)+ MCPServerAdapter:stdio/SSE/Streamable HTTPの3つすべてに対応
  • GitHubスター58,978。公式ドキュメントによれば、コミュニティ講座を通じて10万人以上の開発者が認定を取得している
  • `npx skills add crewaiinc/skills`によるClaude Code/Codexなどのコーディングエージェントへの公式統合
  • MITライセンスでライブラリは無料。AMPプラットフォームのFreeプランは月50ワークフロー実行を提供

短所

  • すぐ使えるWebhookベース(非同期、本番規模)のヒューマン・イン・ザ・ループ承認はEnterpriseプラン依存。OSS側では自前のproviderを書く必要がある
  • AMP Freeプランは月50ワークフロー実行に制限 — 可観測性は有効だが、クォータをすぐ使い切る
  • CrewAIは公式の独立したパフォーマンスベンチマークページを公開していない。企業事例もLangGraphほど詳細ではない
  • リポジトリがより新しい(2023年10月)— LangGraphが2023年8月以来積み上げてきたエコシステムの厚みにはまだ及ばない
  • 1.15.22より前のバージョンでは非UTF-8文字でJSONチェックポイントが破損するバグがあった(現在は修正済み)

最適な用途

高速プロトタイピングと『ロールチーム』のメンタルモデルで作業するチームMCPサーバー(stdio/SSE/HTTP)に頻繁に接続し、専用DSLを求めるチームコーディングエージェント(Claude Code、Codex)への公式skillパッケージによる統合を求める人少ないコードで本番稼働を目指す、Enterprise予算のある中〜大規模チーム

コード比較

LangGraph
# LangGraph — チェックポイント付き、人間承認ありのシンプルなエージェントフロー
from langgraph.graph import StateGraph, START, END
from langgraph.checkpoint.memory import InMemorySaver
from langgraph.types import interrupt, Command
from typing import TypedDict

class State(TypedDict):
    input: str
    approved: bool
    result: str

def draft_step(state: State) -> dict:
    return {"result": f"draft for: {state['input']}"}

def approval_step(state: State) -> dict:
    decision = interrupt({"question": "Approve this draft?", "draft": state["result"]})
    return {"approved": decision == "yes"}

graph = StateGraph(State)
graph.add_node("draft", draft_step)
graph.add_node("approval", approval_step)
graph.add_edge(START, "draft")
graph.add_edge("draft", "approval")
graph.add_edge("approval", END)

app = graph.compile(checkpointer=InMemorySaver())
config = {"configurable": {"thread_id": "run-1"}}
app.invoke({"input": "weekly report"}, config=config)
# 人間が承認した後、中断した地点から再開する:
app.invoke(Command(resume="yes"), config=config)
CrewAI
# CrewAI — Flow + Crew、@human_feedbackによる人間承認ありのフロー (crewai >= 1.8.0)
from crewai import Agent, Crew, Task
from crewai.flow.flow import Flow, listen, start
from crewai.flow.human_feedback import HumanFeedbackResult, human_feedback

writer = Agent(
    role="Content Writer",
    goal="Draft a short weekly report",
    backstory="You are a concise technical writer.",
)

draft_task = Task(
    description="Write a one-paragraph weekly report about {topic}",
    expected_output="A one-paragraph report",
    agent=writer,
)

class ReportFlow(Flow):
    @start()
    def create_draft(self):
        crew = Crew(agents=[writer], tasks=[draft_task])
        return str(crew.kickoff(inputs={"topic": "deployment metrics"}))

    # emit + llm: 自由形式のフィードバックを単一の結果に集約する
    @listen(create_draft)
    @human_feedback(
        message="Approve this draft, or say what needs changing:",
        emit=["approved", "rejected"],
        llm="gpt-4o-mini",
        default_outcome="rejected",
    )
    def review_draft(self, draft):
        return draft

    # HumanFeedbackResultは、デコレートされたメソッドではなくそれをリッスンする側に渡される
    @listen("approved")
    def publish(self, result: HumanFeedbackResult):
        print(f"Published: {result.output}")

    @listen("rejected")
    def discard(self, result: HumanFeedbackResult):
        print(f"Rejected: {result.feedback}")

flow = ReportFlow()
flow.kickoff()

結論

明確な勝者はなく、あなたのワークフローの形が勝敗を決める:ループや条件分岐を含むアーキテクチャならLangGraphが優位、特に規制対象のワークフローでは顕著だ。少ないコードで『ロールチーム』を組みたいならCrewAIの方が近道になる。MCPに頻繁に接続するならCrewAIの専用DSLが有利だ。そして2026年には第三の選択肢もある:シンプルな自動化にはフレームワーク自体が不要かもしれない。

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FAQ

よくある質問

どちらも積極的に本番運用を志向して開発が続けられている。LangGraphはGitHubスター42,222でdurable executionを備え、製品ページの『trusted by』ロゴ一覧にCisco/Nvidia/ServiceNow/Klarnaなどが並ぶ。CrewAIはスター58,978で、公式の『production-ready application, start with a Flow』という推奨とともにPwC/IBM/AWSの事例を公開している。どちらの公式サイトにも明確な『こちらの方が適している』という主張はない — 自分のワークフローの分岐/ループの密度に応じて判断すべきだ。

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